週刊文春7月24日号に日銀幹部が本を万引きしたという記事が掲載された。その盗まれた本のタイトルは「役人の掟」。著者はガジェット通信にもたびたび寄稿いただいている原英史氏。というわけで早速、日銀幹部が万引きした本の著者である原英史氏にインタビューを試みてみた。
記者: 日銀幹部の方が万引きしてまで読みたい本のようですが原さんさんはこの事件をどう受け止めていますか?
原(著者): 受け止めるというか……基本的にはコメントのしようがありませんが……、まず、日銀幹部の方が万引きした「役人の掟」(自著)は時々勘違いされるんですが「役人批判本」ではありません。週刊文春さんで「役人批判本を万引き」とされているのは間違いなのです。この本は最近よく新聞報道などでもでてくる「岩盤規制」とは何なのか、農業・医療・教育・交通・雇用など、全21テーマにわたって解説したものなのです。
書店でもちょっと違うコーナーにおかれていることがありますが、本来は「政治・行政」と「ビジネス・経済」の両コーナーにおいていただくべき本だと思っています。
理由ですが「岩盤規制」は、安倍内閣が取り組もうとしながら難航している最大の難題のひとつであり、また、「岩盤規制」のある分野は、規制さえ取り除かれれば、新たなビジネスチャンスがごろごろと転がっている宝の山ということです。
記者: なるほど。日銀幹部の人は、ビジネス・経済活動に直結する内容なので、関心を持ったのかもしれませんね。
原: 日銀ですからねえ。 勝手な憶測ですが、ひょっとすると今回事件を起こされた方は、この本は題名と表紙だけみると「軽くてやわらかめの本」にみえるため、レジに持っていくのが恥ずかしいと感じられた可能性があるのかもしれません。もしそうだとしたら、ちょっと申し訳ないことをしました。
記者: つまり大人がちょっとセクシーな本をレジにもってゆきにくいのと同じ話ですね。
原: うーん、似てますね。本当はこの本の題名は、私のもともとの案では「岩盤規制の正体」だったのです。出版社さんから「それじゃ売れない」ということで、やわらかめにみえる体裁にしたのですが。
記者: なるほど、もしそうだとしたら「真面目な経済書籍」の装丁にしておけばよかったですね(笑)。なんだか意地悪そうな役人の表紙ですし。
原: まあともかく、この本は、表紙はやわらかく、文章もわかりやすくしてありますが、内容は最先端の政策課題とビジネスチャンスに関する真面目な本です。このことを、書店の方々にもしっかりお伝えしたいと思います。アベノミクスの今後の展望や、新たなビジネスチャンスなどに関心ある多くの方々に、ぜひ手にとっていただければと思います。
記者: とってもらうんですか……。
原: あ、「手にとって」というのは、もちろん買っていただけたらということです。
記者: わかりました。
(インタビュー:東京プレスクラブ)