一週間は、早いです。
先週予告した通り、今回はガケ書房の実際の棚をつかって遊びます。
上記に掲載した写真は、ガケ書房に入ってすぐ目に飛び込んでくるメインの平台です。ここはいわば一番粋のよい本たちが並んでいます。順番に、紹介していきましょう。画像が小さくて暗くて、少し見づらいかもしれませんが。。その場合は、お店で実際の棚を見に来てください。
まず、左上のはかり台(只今のガケ本)に乗っているのは、人気イラストレーター・西淑さんのミニ画集『夜のみずうみ 星屑のスカート』です。ロマンティックなモチーフの中に可愛い雰囲気もすかさず混じっている女性人気の一冊です。
となりの透明のアクリル製本立てに移りましょう。左上から『ちいさな城下町』。先日、亡くなられたイラストレーター・安西水丸さんの最後のエッセイ集。彼の心地よい歩幅が伝わってくる1冊。
隣は、『フルサトをつくる』伊藤洋志/pha。ガケ書房が選書が関わっている和歌山県の廃校を使った書店bookcafe kujuという施設のことも出てきます。僕は、この伊藤さんを通じてこのプロジェクトに関わることになりました。
その隣が、『あしたから出版社』島田潤一郎。知る人ぞ知る今最も勢いのある一人出版社・夏葉社のこれまでを書いた読み応えのある良書です。
下の段にうつって、また左から。『「消費」をやめる』平川克美。こちらも勢いのある小出版社・ミシマ社からの1冊です。この平川さんは、小さい商い、つまり小商いというお金の回し方を提唱している人です。
隣。言わずとしれた故・忌野清志郎の詩集です。『エリーゼのために』。解説は、昔から熱狂的な清志郎ファンである角田光代さん。文学者から見ても彼の用いた言葉は衝撃的だったことがよくわかる内容です。
その隣。『おいしい街と本と人』今江祥智。今江さんは長年、児童文学の世界で活躍してきた方で、谷川俊太郎さんとも交流深い人物です。なんと、これ御本人によるサイン本です。実は、ガケ書房の近くにお住まいで自転車でちょくちょく来られます。
そのまま平台にうつって、その一番右上にいきましょうか。『SUBTLE』。紙のメーカー・竹尾によるペーパーショウの公式カタログ。豪華作家陣が作品を提供し、それを新種の紙を使って紹介した本です。
その下。『それでも猫は出かけていく』ハルノ宵子。こちらは、吉本隆明さんの長女。つまり、よしもとばななさんのお姉さんの書いたエッセイです。本職は、漫画家さんなので、イラストが絶妙です。
その左上。『はじまり』池田修三。昭和に秋田を中心に愛されたイラストレーターの絵葉書と豆本をセットにしたもの。レトロな雰囲気の中にある愛くるしさが郷愁を誘います。
その左となり。『うそ』中川ひろたか/ミロコマチコ。日本絵本大賞を取った後、情熱大陸で取り上げられたりして、一気に売れっ子になったミロコマチコさんの新作。ガケ書房では、おまけとしてミロコさんの猫カードをつけています。
その左。『くう・ねる・のぐそ』伊沢正名。野糞研究家・伊沢さんの名著がついに文庫化。かつて、ガケ書房でもご本人を招いて野糞イベントをしたことがあります。地球に優しいということは、動物から生まれるものを地球に還元することなのだということがよくわかりました。
その左。『森見登美彦の京都ぐるぐる案内』。タイトル通り、京大出身の人気作家・森見さんがゆかりの場所などを中心に紹介した1冊。以前、森見さんがガケ書房で働いていたというデマが流れたときは、なぜか嬉しかったです。
その左。『3着の日記 memeが旅したRIGA』。女性クリエイターによる集団・memeによる旅日記風作品集。自由に生きる女性を象徴するような感受性に富んだ作品が登場します。
その下。『呪いの時代』内田樹。この世知辛い世の中を生きる上で大きなヒントになる考えを説いてくれる内田先生。ネガティブな時代だからこそまっとうな知性の使い方が必要だ。
その右隣。『ROADSIDE BOOK』都築響一。最強の編集者は、この人ではないかと思う。ブレない価値観。流行に常に抗う性質。体を張った思想。これは彼の貴重な書評集。
その右。『片岡義男クラシックス』。かつて村上春樹が登場するまで、憧れとしてのアメリカ文化やこじゃれたアイテムなどを使った作風の代表的作家は、この人だった。彼の貴重な初期作品集。限定500部。
その右。『のほほんのほん』。今、ガケ書房で売れています。詩人・ニシオカツヒコの新境地。のほほんと生きるためのテキスト集。気軽に手に取れるところが受けています。
その右。『天頂より少し下って』川上弘美。地に足のついた不思議な恋愛小説を書かせたら、右に出るものはいないのではないか。極上の恋愛小説集。
その右下いこうか。『夢覘 佐伯俊男画集』。なんとこちらもサイン本。御本人が来店されました。全編にわたって、無残で妖艶なエロティック画が収録されてます。解説は、みうらじゅんさん。
その左。『水丸劇場』。先ほど紹介した安西水丸さんの追悼本。盟友・和田誠や大橋歩らも追悼文を寄せています。肉体は無くなっても、作品は永遠に残る。
その左。『ベストエッセイ2014』。現役の作家やライターたちが文芸誌・新聞などに発表したエッセイの中から優れた作品をピックアップしたアンソロジー。現代のエッセイの最高峰たちがここに収録されている。
その左となり。『街場の共同体論』内田樹。歯に衣をきせない超楽観的日本絶望論。街場というフィールド上でずっと語り続ける彼のハードウォークには、ヒントとともに我が身の痛みが備わっている。
その左。『HOMESHOP style』アラタクールハンド。以前にFRATHOUSESTYLEという平屋というリーズナブルで懐かしい存在感に再注目した著者による新作。今回は自宅を店舗として展開する人たちに注目。
最後です。『こんなときのどうする絵辞典』ニシワキタダシ。かんさい絵ことば辞典で大ブレイクした著者のオリジナル提案本。日常の少し困るシチュエーションとその解決案をゆる~くユーモラスに紹介してます。
・・・・・・・・・・・・疲れました。意外とガケ書房の棚の並びは、取材などでも載ることが少ないのでどうでしたでしょうか? 同じ著者でも隣に並んでいないのは、意図的。ではなく、なんとなくです。明日にはこのラインナップも少しずつ変わってしまっていることでしょう。まさにこの日のガケ書房。
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上記紹介本の半分くらいは、ガケ書房通販サイトで現物購入できます。
http://gake.shop-pro.jp/