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声優のギャラについて考えてみよう~その2(たかみゆきひさ)

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声優のギャラについて考えてみよう~その2(たかみゆきひさ)
今回はたかみゆきひささんのブログ『shadowcube』からご寄稿いただきました。
■声優のギャラについて考えてみよう~その2(たかみゆきひさ)
【これから声優を目指す人、また、目指してる人向けのブログシリーズ】

さて、前回はTVアニメのアフレコだけで声優は食っていけるのかを考えてみました。

読んでない方はこちらを先にどうぞ→
「声優のギャラについて考えてみよう~その1」2014年06月07日『shadowcube』
http://ameblo.jp/shadowcube/entry-11873259296.html

声優として食べていくのは大変なんだなということがわかったところで、次に君たちがそこで稼ごうとしている「声優業」はビジネスとしてどうなのかについて考えてみましょう。
だって、声優業がビジネスとして成立してなかったら君たちの将来は不安しかない。
それに声優は個人事業主と言われる。
この先自分が臨む仕事が事業としてやっていけるのか考えておくことが必要だ。

前回せっかく計算したので、月25万売り上げる新人声優を基本単位として考えてみよう。
月25万売り上げる声優が1人いる事務所は事務所の取り分が月5万。
月5万で事務所機能として何ができるかなぁ。
うーん、何もできないですね。
マネージャーの給料、事務所の家賃、どれも出ない。
すなわちこれは「ビジネスとして成立しない状態」。

さて、そもそも事務所をやっていくのにどのくらいかかるのかな?
社長兼マネージャーとして事務所のスタッフが1人、家賃7~8万のアパートで水道光熱費合わせて10万としましょうか。
社長だけど、給料は20万でガマンしてもらいましょう。
あとは電話とかインターネットなども必要か…。
事務用品とか交通費とか雑費入れて、安く見積もって5万としましょう。
さて、この場合、事務所のランニングコストは35万です(割と最低価格ですな)。
税金とか細かい事考えるともっといろいろあるんだけど、そこはとりあえず無視しましょうか。
本当はもっとかかるということだけ理解しておきましょう。

タレントの取り分を8、事務所を2として計算すると、事務所のランニングコスト35万円の支払いを保つためには毎月175万以上の売上が必要です。
先程の月25万売上げる声優で考えると、7人いて175万。
週4本のレギュラーをもつような新人声優が7人いてもこのビジネスはトントンだということがわかります。
しかもこの状態は社長兼スタッフが一人です。
週4本のレギュラーで7人というともし全部が別のタイトルだたら28タイトル、つまり現場は28カ所。
1人のマネージャーが各現場に行くのは不可能に近いからスタッフも増やさないとだけど、スタッフをまかなう費用なんて出ない。
マネージャーは基本的に現場に行かないというスタイルをとらないとビジネスとしての成立は困難。
まぁ、現実的には25万の売上のために週4本と言うことはなく、TVアニメ週1本でも他にラジオのレギュラーがあって、あとはちょっとした収録があって…ということでの25万になるんでしょうが、いずれにしてもなんらかの仕事で25万売り上げる声優7人をスタッフ1人でやりくりしなければならないということである。
そんな状態なんだからうちのマネージャーは現場に来てくれないなんて文句を言ってはいけません。
(そもそも声優業界は現場にマネージャー来ませんが)
しかも、これって事務所が月7~8万のアパートでスタッフが一人の場合ですよ。
こんなに事務所の費用を削ってもこんなものなのです。

つまり、この状況では「声優業はビジネスとしては厳しい」ということです。

声優業として成立しなかったらみんなはどうやって生きていけばよいのか。
いろんなパターンをシミュレーションしてみましょう。
タレントの取り分を8、事務所を2で計算してましたが、事務所とは二人三脚だし折半、タレントの取り分を5、事務所も5で計算してみます。

ということで前回の計算に戻りましょう
タレントの手元に額面で20万残すにはそのタレントの月の売上は40万必要です。
40万売り上げるには新人の場合TVアニメのアフレコだけだと月に27本必要です。
これは週7本に近いレギュラー出演になります。
それでも事務所が使える費用は20万ですから、事務所はやっていけません。
先程の計算で事務所のランニングを35万とすると、全体の売上が月70万でトントンです。
月70万売り上げるには月47本やらないとです。
先程の月175万を売り上げなければならない状態から比べると遙かにビジネスとしては成立しやすそうです。
月25万売上げる声優で考えても、3人いて75万。(先程は7人でした)
とはいえ、この場合だと声優さんは各々の収入が12.5万なので、食っていけない、すなわち全体としてはお互いにビジネスとして成立してません。
お互いにビジネスとして成立させるためには取り分がこの比率の場合あなたは月40万の売上を立て、同じように月40万売り上げるタレントがもうひとりいれば事務所としてもやっていけますね。
2人ならマネージャーもひとりでできそうです。

今回はタレントと事務所の割合を8:2と5:5で計算してみましたが、7:3とか6:4とかいろいろ計算してみてください。
いずれにしても大事なことは

自分がいくら売り上げる声優になると所属事務所としてはおいしいのか

こういうことを考えておくことは大事です。
事務所に対して自分を所属させておくと得ですよ、と思わせないと事務所からは切られちゃいますから。
ある程度の売上がなければ、あなたは「赤字タレント」ということになってしまいます。
自分が事務所にとって赤字タレントにならないように努めることも大事です。
要するに

あなたがあなたを使ってビジネスをしようとしている人たちにとってビジネスとして成立しているか否か

これが成立していないと、あなたはお金にならないということなのです。
このお互いにビジネスとして成立させるという考え方はとても大事です。
時々、「事務所は自分を利用して…」とか「○○(会社名)は自分を利用して…」とネガティブなことを言うタレントがいます。
この考え方は大変間違っています。
会社はあなたを利用してビジネスにし、そのビジネスが成立することであなたはギャラをもらう、即ち、あなたは会社を利用して仕事とギャラを得ているのです。
ビジネスとはお互いがお互いを利用するものです。
利用されるほど価値のある人になりましょう。

そんなことで、こういうことをきちんと認識して声優を目指して欲しいと思うのです。

次回は今回のことに関連してビジネスを考えてみる続き「独立してみよう!」について考えてみましょう。

関連記事:
「声優のギャラについて考えてみよう~その1」 2014年06月13日 『ガジェット通信』
http://getnews.jp/archives/597894

執筆:この記事はたかみゆきひささんのブログ『shadowcube』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年06月13日時点のものです。

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