今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■続・日本企業は効率が悪いのか(メカAG)
若者に日本企業叩きが人気なのは、日本経済とは全然関係のない理由だろう。ようするに若者が何か提案しても、頭の硬い上司がことごとく却下する。「俺は新しいものをとりいれようとしてるのに、古臭い考えの連中が邪魔をする」と。
んで日本経済がイマイチなのをそれと結びつけて「俺の柔軟な発想を受け入れないから、日本企業は世界でも没落してるんだ」と。いやはや、よくぞそこまで想像力を広げる。あなたの提案が企業で却下されるのと、日本企業の低迷はなんの関係もない。
じゃあベンチャーの経営者が柔軟か?というと、そうではないと思うんだよね。柔軟か否かはどういう面をみるかで違ってくるだろう。会社の規模が小さいから、小回りがきくのは事実だし、そもそもベンチャーを立ち上げたのだから、新しいことを始めようという姿勢なのは間違いない。
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でもたとえばあなたがベンチャーに入って、同じように何か提案したとする。それが簡単に採用されるかというと、そうはならないと思うんだけどねぇ。
むしろベンチャーの経営者というのはワンマン傾向が強い。自分がいいと思うことをどんどん進めるけれど、未熟な人間の思慮の浅い提案をホイホイ採用するなんてことはないと思うんだけどね。というかそういうことをやってるとただでさえ経営基板が弱いベンチャーは倒産してしまう。
ベンチャーの戦略というのは基本的に一点集中であり、何に集中するか?といえば、それは経営者のセンスが頼みの綱。だから経営者に頼りにされるぐらいよほど優秀な人間なら別だけど、ベンチャーに入れば自分の意見が会社にどんどん採用されるということはないだろう。
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むろん新しいことはできるし、スピード感が速いというのはその通りだから、そういうものを求めてベンチャーに就職するのはいいと思うけどね。逆に言えばベンチャーから退職していく人というのは、スピード感は十分満喫したから、自分が主導権をとれるような会社で働きたいという人だろう。
これっていいかえれば、自分より優秀な人がいない企業ってことですな。自分が何かの分野で1番だからこそ主導権をとれるわけで。「鶏口となるも牛後となるなかれ」というタイプ。
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ということで、未熟で思慮の浅い意見が通る会社というのは、それが大企業であれベンチャーであれ、存在しないと思うんだよね。自分で会社を起こすなら別だけど。
自分の意見が通らないから大企業を恨むというのは逆恨み。ベンチャーだろうがどんな企業でも基本的に新しい意見は通らない。逆に通るならあなたより先に誰かが通している。よっぽど優秀で斬新な、これまで誰も思いつかなかったような意見ならともかく、誰でも考えるような意見を言っても、どの会社でも通らない。
受け取り方だと思うんだよね。自分の提案が通った場合、「さすが俺、会社をリードしている」と思うか、「なんだ自分が考えつく程度のことを、これまで誰も考えなかった会社にいるのか…」と思うか。
関連記事:
「日本企業は効率が悪いのか」 2014年06月13日 『ガジェット通信』
http://getnews.jp/archives/597680
執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年06月13日時点のものです。
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