演劇実験室『天井桟敷』での活動が今なお多大な影響を与えている詩人・劇作家寺山修司(1935-1983)を中心とした1960~70年代の小劇場演劇の傑作ポスターを約100点集めて展示する『ジャパン・アヴァンギャルド-アングラ演劇ポスター展』が2014年4月23日から5月19日まで、東京・渋谷にあるポスターハリスギャラリーとアツコバルーで開催。『天井桟敷』などのポスターを手がけた宇野亜喜良さんや人形作家の四谷シモンさんなど、アングラカルチャーを担ったキーパーソンによるトークショーも予定されています。
『天井桟敷』だけでなく、『状況劇場』『黒テント』『自由劇場』『大駱駝艦』といった劇団が登場し、実験的な舞台が数多く発表される中で、大きな役割を果たしたのがユニークなビジュアルで表現されたポスター群。これらの多くは横尾忠則さんや赤瀬川原平さん、金子國義さんといった一流のアーティストが手がけています。彼らは多くの場合美術も担当しており、それゆえに舞台のイメージも凝縮されていることになりました。それらは四半世紀を経た現在でも新鮮な驚きを与え、かつ当時の舞台を彷彿とさせる作品群だといえるでしょう。
今回、ポスターハリスギャラリーで『天井棧敷』ポスターを34点展示。アツコバルーでは『状況劇場』『黒テント』『自由劇場』『大駱駝艦』など約66点展示されます。料金は2会場共通で、大人1000円・学生800円(アツコバルーでのワンドリンク付き)。2014年4月26・27日と5月10・11日には、ポスターハリス代表で寺山修司記念館副館長の笹目浩之さんによるポスター解説の時間もあるので、アングラ演劇への理解を深めたいという人はこのタイイングを狙うのがいいかもしれません。
会期中開催されるトークショーには、『大駱駝艦』主宰の麿赤兒さんとデザイナーの祖父江慎さんによるセッションが2014年4月24日に予定されているのをはじめ、日本の球体関節人形嗜好のルーツともいえる四谷さんがアリス研究家の桑原茂夫さんと俳優の佐野史郎さんというファンには堪らない組み合わせばかり。
中でも、2014年5月9日に組まれている宇野亜喜良さんと6%DOKIDOKIやきゃりーぱみゅぱみゅのMVの美術を手がけている増田セバスチャンさんとのアートディレクター同士のセッションは、当時と現代をつなぐアートやカルチャーの文脈を明らかにする上で重要な位置づけを占めることになるのではないでしょうか。
トークショーは各回2000円で、2014年4月3日より予約開始とのこと。どの回も注目が高くなるのは確実ので、早めにチケットを確保しておいた方がよさそうです。
ジャパン・アヴァンギャルド(公式サイト)
http://posterharis.com/avantgarde/
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■著者データ
ふじいりょう
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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