あなたが住む地域の地方議員の名前、何人言えますか?
地方議会にはたくさんの市議や区議などがいますので、全部名前を言える人はなかなかいないと思います。
そんな名前も知らない議員たちは、どれくらい報酬をもらい、どれくらい働いているのでしょうか。
地方議会の会期日数は、年間90日程度といわれています。しかし地方議員の報酬は1千万円を超えます。
年に90日しか働いていないのに1千万円以上報酬があるのも凄いですが、じゃぁこれを時給になおすと、一体いくらになるんでしょう。素朴な疑問が浮かんだので、計算してみました。
今回は東京都の中央区と千代田区の区議会議員について調査しました。
中央区の区議は時給8万円以上
中央区。区議の報酬が年1134万円でした。議会が開かれていた時間を合計すると139時間。時給になおすと、なんと時給8万1千円となりました。すごい高額の時給です。
千代田区。区議の報酬は年1310万円で議会が開かれていた時間は193時間。
時給になおすと、時給6万7千円となります。こんなおいしいバイト、みたことがありません。
一番の問題は、これらの報酬を決めるのが、議員自身だということです。
自分たちで報酬を決めるわけですから、どうしても高額になってしまいます。
この高額の報酬を改め、下げる方法は簡単で、議員の人たち自身が報酬を減らすように、決めればいいだけです。
上がってしまった議員の時給をどう変えていくのか
しかし、簡単そうでも、一度上げてしまったものはなかなか下がらないのが世の常。ではどうするか。
この問題に取り組んでいるのが「土日夜間議会」です。
土日夜間議会 http://donichiyakan.jp/
この土日夜間議会が公表している資料によると海外の地方議員は、ふつうの仕事をしている人が議員になり、報酬はゼロまたはせいぜい年間数十万円程度ということろが少なくないとのこと。
これを実現するためにまず大事なのは「普通に働いている、普通の人たち」が議会に参加できるよう、議会の開催を土日や夜間にしていくこと。そうすれば、普通の感覚で議会運営を大きく変えていくことが可能だし、まずは第一段階として、議員報酬の半額にすることもできると述べています。
土日の議会開催、平日夜の議会の開催なども、難しそうに見えますが、結局のところ、そうなるように議会が決めればいいだけ。上がりすぎた報酬を下げるというのもそう決めるだけですから本当は難しくありませんが、そこに至るまでには、普通に働いている人の、普通の感覚が、議会にもっと必要です。
どう考えても、時給8万はさすがに高すぎだ――。
そう考える人が集まって、普通の感覚をもって地方議会に挑むこと。これができれば、あまりに注目されなくなってきている地方議会そのものを身近にすることができ、世の中を変えていくことができます。
資料)
区議会議員の時給算出方法について報酬÷時間数=時給となります。
・「報酬」: 月額報酬・期末手当(議長などを含む各議会の一人当たり平均)、政務活動費、費用弁償(総支出額から一人当たり金額を算出)を合計しました。
・「時間数」: 本会議(全議員が参加)と委員会(一部議員が参加)の時間数から、議員一人あたりの平均時間数を算出しました。■中央区データ
中央区の議員の報酬を時給になおすと
時給81,565円
と、なりました。(議長、委員長、区議をならして計算すると、一人あたり年の報酬が1134万3227円。実際に議会が開かれていた時間は1年で139時間7分となります)
■千代田区データ
千代田区の議員の場合はどうでしょう。こちらは、
時給67,829円
となりました。(議長、委員長、区議をならして計算すると年の報酬は1310万3840円。議会が開かれていた時間は193時間19分)
(東京プレスクラブ)
写真: https://www.flickr.com/photos/enanon/4998325237